その2つが合わさることでインチキ臭い商品も爆発的に生まれ、特に「日本直販」のCMは要らないと思わせる絶妙なラインの商品ばかり売っていました。
今見たら売れないだろと思う商品が、あちこちに溢れていたのです。なので、ある意味今の時代より取捨選択の眼力が必要でした。ファミコンでもクソゲーを掴まされて、泣いた思い出がある方も多いはずです。
そのクソはあらゆるジャンルに溢れ、場合によっては車でもぶっ飛んだ発想のものが誕生してます。その筆頭として思い出すのが「パルサー・エクサキャノビー」です。
リアトランクのある2ドアクーペの出で立ちで、トランクの上に箱を乗せるとステーションワゴンになるというスグレモノとなっているのが特徴です。
しかし、安全性から日本では取り替えが無理でどちらかしか選べなくなり、さらにクーペなので後部座席はほぼ利用不可、斬新ですが、あらゆる実用性があれな車でした。
車ですら勢いに任せてやってしまう時代、車のCMも文字通りぶっ飛んでました。加トちゃんケンちゃんも飛んでました。全員集合の頃から飛んでました。
ジャッキーチェンも飛んでました。西部警察は当たり前に飛んでました。太陽にほえろ!はコントでした。そしてなぜかみんなレオタードで踊ってました。
もはやどれがコメディで、どれがシリアスかも分からないのが当たり前です。全てにおいてこの当時は、安心や安全が大っ嫌いな国民が多かったのです。
AVも同じで、バッタ物、使い回し、パッケージの巻きかえ、詐欺、こんなものが当たり前にあって、特に1993年から始まる「ビデオ安売王」のAVは、その縮図のどん詰まりと言って良いものでしょう。
そこから一握りの素晴らしいAVを見つけ出す、この当時のテレビでちらりと映るおっぱいと同じで、お宝に出会えた時の喜びはまるで掛けに勝った時のような興奮があったのです。
だから毒された人ほど不具合こそ魅力、駄作こそ価値があると感じ、重症の中毒になるのです。しかしそのレベルは普通の人にはあまりに難易度が高いので、ちゃんと見られるけどちょっとB級、そんな作品を紹介します。
紹介する作品は80年代に収まってるのですが、何しろ情報がないメーカーの作品ばかりです。画質も良くありません。常識があれば、カオスでガサツで粗暴な雰囲気を感じるものばかりです。
パロディのくせにその要素が一切ない作品、なんか見たことあるシーンが満載の作品、期待させるだけさせて残念な気持ちになる作品などです。
昔が良かったと言う方は沢山いますが、みんな当時はクソだと激昂したことまで愛してしまってるんです。壊れかけたテレビをバチコンと叩いて直したのも愛してるんです。
今のほうが何もかも良いのですが、当時の悪いものが悪いとならないのは、やっぱりちょっとみんな毒されてるのかもしれません。それも含めて80年代は愛すべき時代だと思います。
パロディのような題名をつけながら、どうもなにかの総集編だろうと思われる内容、オムニバス形式で雑多にシーンが並べられてる作品です。 調教してる方で出てくるのは「志摩紫光」に「葵マリー」と、いつ暴走してもおかしくない2人。当時のAV女優もいるのでしょうが、誰だか判りません。 パロディの元ネタとなっているのは当時の俳優「丹波哲郎」が主張するあの世の世界と、それをドラマ、映画化した「大霊界」が元になっていますが、その要素は当然皆無です。 浣腸シーンは3回あり実用性もありますが、その実用性の間に挟まるSMプレイは当時だから出来たものになってます。それが楽しいか楽しくないかは、見る方に委ねます。 過去に紹介した「浣腸畑でつかまえて」もそうですが、この頃からこうした題名のみのパロディ作品があったのです。 |
なんか見たことのある「スタジオ418」の浣腸シーンに、同じように集めたんではと思われるSMシーンが雑多に並ぶ作品となっています。 メーカーも良く判らなければ、どういった経緯で制作されたかも判りません。パクリやバッタ物が横行していた時代なので、そういった可能性もあります。 ぶっ飛んでいてSMと言えるものじゃない狂ってるシーンもあって、この時代のトンデモ感は十分以上に伝わってくるのではと思います。 「西武警察」という爆発しまくりの、現在ではありえない事をドラマでやってた時代ですから、何もかも今とは考え方が違っていたんです。 「スパルタンM」という題名もジャッキーチェンの「スパルタンX」からのパロディでしょう。お金もあってやろうと思えば出来る、1980年代のぶっ壊れ感は、非常識を絵に書いたようなものだったのです。 |
前ふたつは1980年代のぶっ壊れ感の強い作品でしたが、今度は1970年代を引きずっている荒廃感のある作品で、当時の闇や事件を感じさせる題名です。 制作元の「芳友舎」は「奇譚クラブ」から始まるSM黎明期に「賀山茂」という方いて、その方が「芳友舎」の前身「サム・ビデオセンター」を立ち上げ、後の「h.m.p」まで繋がっています。 作風は「にっかつロマンポルノ」を彷彿とさせるもので、映画と言う事から排泄物や浣腸をフェイク、演技とする流れもそのままに表現してしまっています。 なので、見たいものが見れないとても残念な気持ちにさせる作品です。1970年代の日本は危険だった。そういった部分を感じさせる題名、殺伐としているのは1970年代特有です。 排泄シーンのない浣腸は、もはや浣腸じゃないと思われるかもしれませんが、AVも社会を反映させてる、そんな風に感じてもらって、温かい目で見てもらえたらと思います。 |
SMを10倍楽しくする方法 / ミミズクビデオパック 1984年
現在だけでなく、この当時でも色々問題があると思うので、こっそりと見ていただきたい作品です。ちょっと画質が悪いですが、あり得ない事やってます。 「日本ビデオ映像」が代行で販売していたようで「ミミズクビデオパック」はおそらく現在で言う「レーベル」のようなものだったのでしょう。 その「日本ビデオ映像」は1985年に倒産、その後「ジャパンホームビデオ」へ変わり、現在も続く「アリスJAPAN」レーベルが誕生し、エロゲーメーカーとしても有名になります。 |
今作は全然毛色の違う作品でSMではなく、野外脱糞&オナニーとなっている作品です。画質が荒いので、くっきりはっきり見えませんが、80年代の女の子らしさがあります。 メーカーや題名もあやふやなところがあって、自主制作の今で言う同人っぽさがあります。そして全編で見られる川の状態が、未開の湿原のような状態、さらにレトロな歌が昭和です。 北海道かなと思うほど、地平線まで山が殆ど見えない雄大な自然の中での脱糞は、開放感ありすぎです。女の子はピクニック、ハイキングに来た感じですが、一歩間違えば野生そのものです。 ただ、80年代初期までは露出から脱糞までSMの位置づけで、まだ細分化が進んでいませんでした。そこから徐々に枝分かれしていく途上の時期ですから、こういった作品は珍しいと思います。 今でこそジャンルのひとつとして見られるウンチプレイ、スカトロと言う言葉が徐々に認知されたのは90年代です。だからこの当時の多くはSMのひとつとして取り入れられ、こっそりひっそりと楽しまれていたのです。 |
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